眠れぬ夜の仕事図鑑 ★★★

眠れぬ夜の仕事図鑑 [DVD]眠れぬ夜の仕事図鑑 [DVD]
(2013/06/29)
新日本映画社

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定点で捉えた夜、ライフスタイルを見直すきっかけ。


 海外旅行をした際に、夜間お店が殆ど開いていなくて困った。コンビニもなければ自販機もない、街灯もどことなく薄暗いイメージ。なんて不便なんだろうと、その時は感じたが逆に日本が明る過ぎるのでは、と思うようになった。「眠れぬ夜の仕事図鑑」で駆け巡った違和感でもあったが、夜しなくてよい作業をマンパワーとエネルギーを消費して夜に行う。メリハリのない日常と止むことのないストレス。私たちが求める過度な欲求の裏側を定点でひたすらに眺め、少なからず何かを考えずにはいられなくなった。本作品を鑑賞することで自分自身を含め、日本人の価値観やライフスタイルを見直すきっかけになるのではと思う。

 監督のニコラウス・ゲイハルターは「いのちの食べかた」同様にナレーションや音楽を排し、夜間に行われる仕事・人々の動き、そのほとんどを定点カメラで捉える。〇〇が良い・悪いと訴えかけるのではなく、傍観させることで観客自身に何かを感じてもらう監督のスタイルは今作でも変わらずに発揮されていた。

 「眠れぬ夜の仕事図鑑」で難解なのは、21の現場を映しているが、それがどこの国で何をしている場面なのか情報が一切表示されないことだ。ここにも監督の意図があるそうで、情報を制限することにより観客の好奇心や思考が刺激されるとのこと。そして、その21の現場は何処か相互作用しており、その相関と対比関係がまたひとつ深い思慮を生み出すようになっている。国境警備と国際移住機関、夜間小児科医と火葬場…静と動、冷静と狂乱が入交る21の事象を巧みに配置しているのが印象的だ。

 なかでも衝撃的で目を引いたのはチェコ プラハでの売春宿だ。モザイクなし(性器が丸映りだったので焦る)でセックスが突然に始まるエモーショナル加減と何故かそこにカメラがあったこと。解説によれば室内の様子を撮影するカメラがあり、撮影を許可した客が格安の入場料を払って利用し、その様子をネット会員へ配信するとのこと…。なんと大胆なサービスだろうか!!風俗嬢のお尻のデカさにも相当に驚いたけど。


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