マーサ、あるいはマーシー・メイ ★★★

マーサ、あるいはマーシー・メイ [Blu-ray]マーサ、あるいはマーシー・メイ [Blu-ray]
(2013/08/02)
エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス 他

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マインドコントロールの恐怖 全編を通しての不安定感


 「マーサ、あるいはマーシー・メイ」という不思議なタイトル。鑑賞を終えるとその意図が分かりじわじわと余韻が押し寄せてきた。マーサは主人公の本名、マーシー・メイはカルト集団でつけられた名前。カルト集団からの脱走後も過去の記憶がフラッシュバックし自分がマーサなのか、マーシー・メイなのか…行動と思考が不安定になる過程がなんとも怖い。

 本作がサスペンスフルに思えるのは、何の説明もないまま、現在の時間軸と過去の描写が交互に映し出されることだ。最初は構成に戸惑うものの、すぐにそのリズムに慣れてくる。この演出が効果的なのは、例えば現在のシーンで姉夫婦の夫がボートの操作を教える為にマーサの後ろに立つ、そこ際にマーサは若干恐怖を感じていた。後にカルト集団の長であるパトリックから拳銃の発砲方法を同じ体勢で教わっていた描写が映される。つまり、「男性が自分の後ろに立つ行為」に過去の出来事がフラッシュバックされストレスを覚えていたことが分かるのだ。劇中ではそのような、マーシー・メイの頃の経験がマーサに影響を与える因果関係がいくつもあるので注視してほしい。




*****以下、ネタばれ注意*****




 カルト集団の日常では基本・自給自足、質素な生活感が見てとれる。一見すると理想郷に思えたがレイプやフリーセックス、果てには強盗・殺人。。。このコミューンの着陸地点が不鮮明なのがなんとも。マインドコントロールが取り除かれないこと、もしかしたら未だに追われているのかもと怯える恐怖、安息が訪れない様子はラストシーンからも見てとれる。ラストで道を横切ったのはパトリックなのか、他人なのか、現実か妄想か。

 エリザベス・オルセンが演じたマーサの憔悴している様、不安定な心境を体現した演技は長編映画デビューとは思えないほどのもの。さらにパトリック役のジョン・ホークスの存在感も抜群、カルト集団を束ねるボスとして恐ろしい程のカリスマ性を放っていた。

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