ウルフ・オブ・ウォールストリート ★★

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(2014/05/28)
レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル 他

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狂乱の果ての遠い眼差し


 フェラーリを運転しながら、口淫をうけるレオナルド・ディカプリオ。娼婦のお尻越しのレオナルド・ディカプリオ…冒頭からかなり過激な映画だなと思っていたら、3時間ずっとそのような描写の連続で驚いた。金・セックス・ドラッグ…離婚やFBIからの捜査など、物語に多少の起伏はあるものの基本的には、ジョーダン・ベルフォートの破天荒な生活のみにスポットを当てている。

 26歳で証券会社を設立し、年収約46億円を稼いだベルフォートの本当の顔が観れると思いきや、孤独や葛藤はほとんど描かれない。ディカプリオは本人(ベルフォート)と会いリサーチをしたとのこと。本人曰く贅沢を尽くしたことに全く罪悪感はないそうで…つまり映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」はこのような狂乱の日常を過ごした男をありののままに正直に描いただけの作品である。

 そのためかジョーダン・ベルフォートがあまり魅力的に思えなかったのだ。人よりも行動力があり強欲な男、確かに羨ましくもあるが、あまりに続く同じような描写には辟易させる。

 本作で印象に残ったのはジョーダン・ベルフォートではなく、その周囲の人物が見せる、心ここにあらずといった状態の時の眼(まなざし)である。FBI捜査官が地下鉄で見せた遠い眼、ベルフォートのセミナーに参加した人々の眼。そしてなにより1万ドル貰える代わりに丸坊主になった女性の表情だ。彼女の髪にバリカンが入った瞬間、周りの人は興奮するものの、直ぐに次の余興に投じている。皆の興味がなくなり1万ドルを手にした彼女の表情は何とも言えないもの。

 投機的な意味での株式投資というのはゼロサムゲームだ。A社の株式は○万株あり、上限株数が決まった中で価値が上下するだけ、ひとつのお椀にお金を投げ入れ値段が高い状態で誰がそのお椀からお金を持ち出すかのババ抜きである。つまり沢山儲けた人がいれば、それだけ損をした人も大勢いたことになる。誰もがお金を求めるも、熱狂するあまり本来の目的を忘れ心を乱す…遠い眼差しの向こうには行き過ぎた金融システム、独善的な欲望への警鐘が見てとれる。


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