ROOM237 DVDROOM237 DVD
(2014/08/06)
ビル・ブレイクモア、ジェフリー・コックス 他

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”なるほど”と”そんなバカな”の往来


 かの天才脚本家、チャーリー・カウフマンは「観客が自分が意図していない解釈をしてくれた時が喜びを感じる。だって作品が生きてるって事だからね。」なるコメントを残していた。「ROOM237」を観終えると映画「シャイニング」がいかに生きている作品であったか、スタンリー・キューブリックが愛されているかが分かる。劇中のそれらはキューブリック監督の本来の意図であったのか真相は不明だが、このようなムーブメントが起きるだけでも監督冥利に尽きるのではないだろうか。




*****以下、ネタばれ注意*****




 作品では映画「シャイニング」に関しての様々な自論が展開される。机上のトレーが勃起した性器に見える!!といった突拍子のないものから、オーバールック・ホテルの構造の矛盾を指摘するなど、なるほど納得させるものも。最もインパクトがあるのが、アポロ11号の月面着陸の映像が捏造であり、キューブリックがその映像製作に加担していたこと。またその加担していたことを、暗にシャイニング内で訴えているという見解だ。息子役のダニー・トランスがアポロのセーターを着ているのは、何らかのメッセージはありそうではあるが…部屋番号237が「地球から月までの距離が23万7000マイル」というのはなんとも。。。そう、今作は”なるほど”と”そんなバカな”を往来するドキュメンタリーなのだ。

 人々がここまで熱狂するのは、ひとえにキューブリックの画力のせいだ。奥行きのある映像、徹底したシンメトリー構図、ハイセンスなビジュアルイメージ、「シャイニング」の物語自体が本当はシンプルなホラーであっても、何度も観返したくなる画の連続である。キューブリックの強力な牽引力に「まずは映像ありき」そこから人々は憑りつかれたように鑑賞するのだと私は思う。

 本作のように製作者サイドに囚われることなく、自由に自論を展開するドキュメンタリーは面白い。自分とは違う主張・意見を取り入れることで、作品の幅が増し再見することや、愛着が深まるきっかけになるだろう。このようなスタンスで是非、デヴィッド・リンチ編をお願いしたい。出来れば「マルホランド・ドライブ」辺りで。
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