トランセンデンス [Blu-ray]トランセンデンス [Blu-ray]
(2014/12/02)
ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン 他

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餅は餅屋か。


 「トランセンデンス」に期待していたのは、ウォーリー・フィスター初の長編監督作だということ。彼は「メメント」「ダークナイト」等、長年に渡りクリストファー・ノーラン作品の撮影を手掛けてきた名撮影監督である。さらに今作にはキリアン・マーフィー、モーガン・フリーマンといったノーラン作品常連の俳優も参加することから、正に「チームノーラン」という見地で楽しみだったのだ。しかしである。「トランセンデンス」鑑賞後は何とも散漫なSF映画だという印象をうけた。

 何よりテーマが見え難い。物語の根幹はウィル(ジョニー・デップ)とエヴリン(レベッカ・ホール)とのラブストーリーだが、この2人を描く時間、または葛藤が極端に少ない。その代わりに、主要2人を取り巻く周辺の設定に関しては事細かに説明し、そちらには時間を割いていたのだ。




*****以下、ネタばれ注意*****




 人工知能の説明→スーパーコンピュータPINNの説明→PINNのコアユニットを盗み→反テクノロジー組織RIFTが居て→FBIがRIFTを追っていて…。とにかく情報過多であり、肝心の2人がどうにもぼやける。ぼやけているから、ウィルに操作された人々の姿やFBI・RIFT対ウィルの戦いも滑稽にしか映らないのだ。

 ではクリストファー・ノーラン監督の場合はどうだろうか、例えば「インセプション」。夢のなかに入るという荒唐無稽の設定が物語の核となるのだが、その装置の名称・背景を一切説明せずにストーリーを進めている。主人公コブのインセプションに対するトラウマ克服が主題だが、この難しい重層的な構造の物語をエンターテーメントとヒューマンドラマを併せ見事に紡いでいた。要はストーリーテリングが上手いのだ。「トランセンデンス」をノーランが手掛けたら、ウィルとエブリンの関係を常に念頭に置いて、スーパーコンピューターPINNに関する説明、RIFT・FBIに関する部分を省くか短いカットで説明していただろう。

 案の定、本作は興行的にも批評的にも散々な結果となった。餅は餅屋というべきか、ウォーリー・フィスターの再起を願いたい。



■関連作品■
ローン・レンジャー ★
アイアンマン3 ★★
インセプション ★★★★

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