キングコング/髑髏島の巨神 ★★★


キングコング:髑髏島の巨神 ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]


観たいものだけをぶち込む、攻めの姿勢。


 観たいものだけを詰め込んだ、潔い怪獣映画だ。今作「キングコング/髑髏島の巨神」は、ゴジラやキングコングが登場しバトルする、モンスターバースの第2作目にあたる作品。別々の映画が同じ世界を共有し互いの作品に干渉し合うことは、現在ハリウッド映画ビッグバジェットの潮流だ。このような一大プロジェクトには巨費が投じられること、今後のユニバース映画の興収に影響を及ぼすこと等から失敗が許されず、物語やキャラクター描写がどちらかといえば手堅いものになりがちである。

 しかしである。今作はそのようなマイルドな「守り」の空気は見受けられず、いま観たい!!と思わせる怪獣映画の要素がふんだんに詰まっているのだ。実に、勇気と怪獣映画愛に満ちた「攻め」である。以下、私が感じた今作の良さを列挙してみた。




*****以下、ネタばれ注意*****




① テンポの速さ
 2005年公開のピーター・ジャクソン版「キング・コング」は、完成度の高い意欲作ではあったが、いかんせん上映時間が長い。特にスカル・アイランド上陸まで、さらにはキングコング登場までが長く、中だるみを激しく覚えた。今作では主役がド頭にいきなりの登場。メインストーリーも25分ほどで髑髏島に上陸し、夕日に佇むキングコングのシルエットを映した後はヘリ部隊、タコ、擬態虫、スカル・クローラーなど勝ち抜きトーナメント方式でバトルし、ラストまで一気に駆け抜ける。細かいことを気にせず真面目な展開に傾かない、非常にフレッシュなテンポだった。

② 怪獣映画と戦争映画のミックス
 これまでの怪獣映画は、フィクションラインが低く設定されており、舞台が現代であることが多かった。実際に住んでいる街が破壊されることで、よりエモーショナルになることもその一因だろう。しかし、今作はベトナム戦争終戦時が時代設定であり、アメリカ兵と当時の装備で巨大生物に戦いを挑むというユニークさ。これは、怪獣と戦争のミックスジャンルなる、新しい映画の発明ともいえるだろう。監督が公言しているように、ヘリ部隊や小型船で川を下るビジュアルは正に「地獄の黙示録」。森の奥のカーツ大佐を暗殺するがごとく、パッカード部隊はキングコング抹殺を厳命されるのだ。

③ キャラクター描写の面白さ
 非常に速いテンポながらキャラクターが全員面白い。特にパッカード大佐扮するサミュエル・L・ジャクソンのアクの強さ。あの台詞を言っている途中に激死する様は「ディープ・ブルー」を思い出すもの(笑)ジョン・C・ライリーが日本刀を構え「不名誉よりも死を」と日本語で語る様もしびれる。トム・ヒドルストンがヒロイックにならないこと、ブリー・ラーソンとも恋仲にならない(キングコング映画なら当たり前??)のもあっさりしてて良い。その他、キャラクターの味付けや死に方も多種多様で忘れ難いものとなった。

 以上のように、今作は非常に特異な味付けだったが、今後、ゴジラ等が合流するモンスターバースも同じように攻めの姿勢で臨んでほしいものだ。日本タイトルの副題もカタカナでの「スカル・アイランド」ではなく、万人が絶対に書けない「髑髏島」という漢字表記が、まがまがしくてなんとも良い雰囲気をだしている。日本の配給会社にも「攻め」の姿勢を感じた次第だ。


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