「ゾディアック」を監督名を伏せたまま鑑賞して、さあ監督は誰でしょう??と聞かれたら、まず正解できない、おそらく間違えてしまうだろう。今作の監督はデビッド・フィンチャー、彼が作りあげた「ファイトクラブ」「セブン」は人生でもトップ10に入るくらい好きな映画だ。
監督の特長はその卓越した映像表現。インパクトのあるビジュアルイメージを一瞬で頭に埋め込む、それはどれも刺激的で攻撃的でもある。しかし今回はそのような画やテクニカルな映像ショットを用いず、またショッキングな展開や予想外のオチを取り入れることなく、ゾディアックを追う人間ドラマに焦点を当てていた。監督のそれまでの味を期待して鑑賞すると思いっきり肩透かしを食らう結果になる。
終始淡々とし、2時間30分以上という大きな尺を使い、事件を丁寧に詰めていくテンポはまるでドキュメンタリー映画のようだ。それは映像に頼らない監督の新機軸でもあり、したたかな情熱を感じた。
劇中では事件を担当している刑事が、「ダーティーハリー」を試写する(ゾディアックをモチーフにした犯人「スコルピオ」が登場するため)という皮肉を込めた面白い演出があった。「ダーティーハリー」というと44マグナムや当時、小学校くらいの時に放送していたテレビの水曜ロードショーなどを思い出す。俳優だった頃のクリント・イーストウッドがまた観たくなった。
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私もゾディアックはフィンチャーっぽくないなと思いました。
「ファイトクラブ」「セブン」は大好きですが
これはこれで十分楽しみました。