「ファニーゲーム」「ピアニスト」と問題・衝撃作を世の中に提示し続けるミヒャエル・ハネケ監督は、今作でもその独特の映像と演出で最後まで僕を不快にし続けた。
終始暗く不気味な作品で、本編最大の謎であるビデオテープの送り主・犯人は最後まで分からない。それは劇中で用意されたコマ(キャラクター)を組み立て注視し、鑑賞後はそのコマを使っての再構築が始まり、様々な解釈を自分の中で創造させなければならない。面白く贅沢な作業だ。そして一通り考えが整理されるともう一度この映画を頭から観たくなる、好き嫌いの好みは分かれそうだがミステリーが好きな人には是非観てもらいたい。どのシーンにも謎解きのヒントや監督の意図が隠されていて、それを見逃すと取り残される。緊張感が持続されて疲れるけどものすごく刺激的だ。
またミヒェエル作品には、インパクトの強いシーンが必ず用意されている。ハリウッド映画のお金を懸けCGを使ったものは、味のないガムのように簡単に忘れてしまうものが多いけど、4・5年前に観た「ファニーゲーム」「ピアニスト」のそれは今でも鮮明に覚えている。
「隠された記憶」でも2箇所ほどインパクトの強いシーンがあり、心臓の弱い人は注意が必要。そのようなシーンは固定カメラ、遠くからの俯瞰視点、音楽無し、前置き無しといった共通点が挙げられる。「複雑で重要なシーンほどシンプルに描く」そのように監督はインタビューに答えていた。今作の衝撃シーンもトラウマになりかねないくらいのものであり、今後何年間も決して忘れることは出来ないだろう。
■関連作品■
ピアニスト ★★★★
わたしもこの映画を観たのですが、すぐには理解できず
頭の中で整理したものの明確な答えが出ずにいました。
人それぞれのとらえ方ができる映画なんだと思います。
「ピアニスト」も以前鑑賞しましたが、女性なのに感情
移入が出来ない映画でした。
ただ、「隠された記憶」も「ピアニスト」もすごいインパクト
を持っている為にいまだに印象に残っているのでしょうね。
まちゃさんの感想を読んで少し理解できたような気がします。