「オーシャンズ12」を鑑賞した後、次回作は観なくてもいいかなと思っていた。そんななか「オーシャンズ13」にアル・パチーノ出演の知らせが。予告編で彼が映った瞬間から今作に強烈に惹かれ始めたのだ。
マイケル・コルレオーネとビンセントの対決は「ゴッドファーザー」好きにはたまらないし、「シー・オブ・ラブ」でのエレン・バーキンとの共演も忘れ難いもの。ハリウッドスターの共演が今シリーズの人気要因だが、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット等が出演しようと、自分自身のスタンスは正にアル・パチーノを観るためだった。
…っが、そのアル・パチーノのみの期待は無残にも散ってしまう。ラスベガスのホテル王、悪役のバンクを演じたのだったが終始オーシャンズに翻弄されるばかりで、どちらかというと情けなさが目立った。「オーシャンズ11」のベネディクトのように、危険さや怖さを全面に示すようなオーラを想像していたのにファンとしては残念である。
ひとえにソダーバーグ監督はシリーズのバランスを重視したのだろう。特定人物の場面を増やしたり、オーバーアクトや強い演出を入れると、その印象だけが残ってしまい作風を崩しかねない。そういう観点からすると今作はシリーズ中、1番面白く感じられた。
特に大きな見せ場も無いのに、最初から最後まで一定のテンションを保ち続けている。トータル的な演出・編集・リズムは素晴らしく、仲間のために復讐するという単純なプロットにも好感がもてる。豪華スターに臆することなく、さらりと始まりいつの間にか終わる、この粋な軽さがソダーバーグの強みなのだろう。製作費やCGを全面に押し付ける暑苦しいハリウッド映画のなかで、初夏に吹き抜ける風のような、心地良さを感じる作品だ。
キャラクター設定は弱々だったが、メガネ姿のアル・パチーノはやはりかっこいい、あのメガネが少し欲しくなるくらいだ。またフォーマルなスーツに身をつつんだブラッドピットが、オープニングカットからラストまで洒落ていてこちらもかっこいい。髪形も着こなしも今作のブラッドピットがベストの状態ではないだろうか。
■関連作品■
オーシャンズ13 ★★★オーシャンズ12 ★★オーシャンズ11 ★★★ヒート ★★★★ボーン・アルティメイタム ★★★
自己紹介に挙がってた好きな映画が結構かぶっていたんで、お邪魔しました。
まさきさんほどは語れないかとは思うんですがよろしく!