善き人のためのソナタ (Blu-ray Disc)善き人のためのソナタ (Blu-ray Disc)
(2008/11/26)
セバスチャン・コッホマルティナ・ゲデック

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 東ドイツの国家保安局シュタージのヴィースラー大尉は、国家に反体制的であるという証拠を掴むために劇作家と舞台女優の監視を始める。思想・啓蒙・芸術活動の管理、抑止というテーマは「華氏451」をイメージさせ、そうなるだろうなという展開に意外性もなく、そのままの航路で着陸してしまった。

 シュタージのヴィースラーの気持ちが変わり、ドライマンを庇い虚偽の報告をする、この辺りの心理変化がいまいち読み取れなかった。劇中の音楽や表情を凝視しないと解らないだろう、「善き人のためのソナタ」をヘッドフォン越しで聴いたことがきっかけなのだろうか。感情的にならないキャラクター、大きな演出のない描写の数々は東ドイツの保守的な、乾いた色彩の街並みのように、静かでしたたかなものだった。劇的な展開にもできそうだが、最後まで人の善さを感じるストーリーには物足りなさを感じ、美しく仕上げ過ぎている気がしてならない。

 なにより1980年代にこのような監視国家が存在していたこと、実際にシュタージのような組織があったことを初めて知った。シュタージの当時の正規職員数は約10万人以上とも言われており、異様に思えた劇中の描写が、現実に起きていたことにはただただ驚かされる。


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素粒子 ★★★
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テーマ:映画感想
ジャンル:映画
コメント
おそらく彼の心の変化はピアノを聴いた時決定づけられたと思いますが、それ以前に詩集を読んだり、彼らの愛のある生活を盗聴した時から内面が変化していったのでしょう。
でも、最初に彼女を見た時に、すでに彼女に対して恋心のような、憧れのような、守りたい愛情が芽生えていたように思います。

静かで、感慨深い作品でした。
2007/08/20(Mon) 22:45 | URL | chika | 【編集
コメントありがとうございます。
やはりピアノが決定打だったようですね。
盗聴したあとに、部屋に女性を呼んでいたりと。
あのシーンは愛情に飢えていたことがよく分かる
少ない場面なので印象深かったです。

ヴィースラーとマリアの関係を
「守りたい愛情」というchikaさんの表現は
ぴったりだと思いました。
恋心とはまた違う、微妙な距離間を言葉で表すと
そうだなと納得しました!!
2007/08/20(Mon) 23:08 | URL | >chikaさんへ | 【編集
いきなりすみません。
こんばんは、はじめまして。
ミクシィの足跡からやってまいりました。

上にURLはバカページなんで行かなくてよいです(^^;)
「善き人のためのソナタ」は良いですね。

東ドイツの当時の実情ですが、当時西側、まあ日本も西側だったんですが、その西側で生きていた私どもが想像してたより人間らしい国家でした。
もっともっと残虐で非人間的な極悪国家と言うイメージでしたから。
アメリカ、まあハリウッドでしょうね、そのプロパガンダにのせられていたってことかもです。
あくまでも「想像してたよりまし」ということですが(笑)
私が気に入らないのは、あの高級官僚の子供っぽい描き方。
あまりにもステレオタイプで、煮物の中に生野菜が落ちてるみたいな青っぽさ。

かなり好きな映画なんで気になって、いきなり書き込みして申し訳ない。

私、人様の感想を読むのが大好きでして。
また感想を読ませに来させて頂きたく存じます。
失礼いたします。

2007/09/10(Mon) 02:26 | URL | インコ | 【編集
はじめまして!!コメントありがとうございます。
なかなか手厳しい意見で(汗)
それほどこの作品が好きだということが伝わってきます。
この作品は世間的な評価は高いのですが、後半・ラスト辺りのキャラクターの言動がひっかかりました。
感想にも書きましたが、ちょっと綺麗にまとまり過ぎていると思います。インコさんのステレオタイプ過ぎるというのも同感です。

今後とも時間があれば覗きに来て下さいね!!
2007/09/10(Mon) 21:41 | URL | >インコさんへ | 【編集
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