人のセックスを笑うな ★★

人のセックスを笑うな人のセックスを笑うな
(2008/07/25)
永作博美松山ケンイチ

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 「人のセックスを笑うな」インパクトのあるタイトルである。「変態村」「40歳の童貞男」に続くチケットを買い難い題名だ。しかし挑戦・攻撃的とも聞こえる題名とは裏腹に、内容は極めて穏やかでありスローテンポで物語は進む。

 20分で片付きそうな話を、2時間以上かけてゆったりとした風景やキャラクターの魅力で埋めていく、そこに何を見い出すかは鑑賞者に委ねられており、物語性を求めすぎると肩透かしを喰らってしまう。そして何やら可笑しなベットシーンがあるのかな、と期待すると実はそうでもない(笑)今作は「メガネ」のように、作品のリズムと波長に自分の心境がシンクロするかどうかではっきりと好き嫌いが分かれそうだ。




*****以下、ネタばれ注意*****




 とは言え、自分も今作が何を訴えたかったのかイマイチ分からなかった。「人のセックスを笑うな」という題名、「Don't laugh at my romance」という英題も物語と整合性がない気がする。ラストに「会えなければ終るなんて そんなもんじゃないだろう」と字幕が出てきたが、仮にそれが主題であるならば、それは映像で表現しなければ映画である意味がない。自分自身の心にゆとりがなかったのか、作品と気持ちに温度差を感じてしまった。

 フィルムの質感や映像、俳優陣は非常に魅力的に映っていた。のどかな田園風景に、今更こんな場所が!!と思うような小さな遊園地、美大生の緩い学園生活も心地良い。自由奔放で小悪魔のような永作博美。ストーブに火をつける際のマッチの持ち方が「デスノート」のLに見えた松山ケンイチ。そして「リリイシュシュのすべて」で共演した蒼井優と忍成修吾の2人、あの作品での殺伐とした空気とは違い、力の抜けた演技がなんとも面白い。


■関連作品■
百万円と苦虫女 ★★★★
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ ★★★
デスノート/前編 ★★★
デスノート/the Last name ★★
リリイ・シュシュのすべて ★★★★

[ 2008/08/09 00:00 ] ラブロマンス | TB(0) | CM(0)

ファウンテン / 永遠につづく愛 ★

ファウンテン 永遠につづく愛ファウンテン 永遠につづく愛
(2008/06/06)
ヒュー・ジャックマンレイチェル・ワイズ

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 「ファウンテン」は当初、ブラッド・ピットが出演する予定だったがダーレン・アロノフスキー監督との方向性の不一致から、出演を断念したという経緯がある。その後、代わりにヒュー・ジャックマンが主演となったが、内容を見渡す限り彼が辞退した理由がよく分かった。

 ブラッド・ピットが降板した後、ケイト・ブランシェットも降板することになったのだが、いっそのことその豪華コンビでの「ファウンテン」観てみたかった気もする。頭を丸坊主にして、宇宙空間を背景に座禅をして瞑想をする姿はかなりのインパクトがあり、演じる側も相当な覚悟が必要だ。

 「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」とスタイリッシュな作品を描いてきた監督が、ここに来て失速した原因はどこにあるのだろうか??前2作に比べ作品の出来が落ちた監督として、「CUBE」「カンパニー・マン」「ナッシング」の順番で製作したヴィンチェンゾ・ナタリ監督を思い出した。

 両者共にサスペンスやスリラーで斬新な物語を構築してきたが、コメディや恋愛など少しジャンルを変えただけで、表現方法が幼稚化してしまうのではないだろうか。ある感覚が秀でていて、得意とするジャンルはあるものの、その領域から外すと恐ろしく滑稽になるのだ。「レクイエム・フォー・ドリーム」で細かいカット割を駆使し、この上ない絶望感を表現した監督の力強さが、今回は見えず演出が散漫になっている印象をうけた。

 「ファウンテン」は主題としては大変面白そうなものだが、それを複雑に捉えすぎているように思う。期待の監督としてあえて難しい方にチャレンジしたのか、今作では個人的にはそのアプローチ方法に賛同しかねる。奇抜な画、丸坊主のヒュー・ジャックマン、興行的にも失敗しており珍作として語り継がれることになりそうである。


■関連作品■
プレステージ ★★★★
タロットカード殺人事件 ★
ニューオーリンズ・トライアル ★★★
アバウト・ア・ボーイ ★★★★


[ 2008/06/24 00:00 ] ラブロマンス | TB(0) | CM(0)

アイズ・ワイド・シャット ★★

アイズ ワイド シャットアイズ ワイド シャット
(2008/07/09)
トム・クルーズ

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 「キューブリックはキャラクターを描かない」という言葉を耳にしたことがあるが、その言葉に最も即した作品が「アイズ・ワイド・シャット」ではないだろうか。トム・クルーズ、ニコール・キッドマンの2大スター夫婦共演(当時)も話題となっていたが、2人の存在がまったく頭にはいらないほど影が薄かった。

 その原因のひとつに完璧主義といわれていた、キューブリック監督の徹底した映像美が挙げられる。どのシーンを切り取っても、幾何学模様を眺めるような規律があり、背景にあるフィラメントの灯りや、夜を表すブルーの光が、その前にいる人物の存在を打ち消しているように観えた。屋外でのシーンも立方体の部屋に居るような感覚に陥り、ステディカムを用いた流動的なカメラワークも、カメラの動きばかりを注視してしまう。また監督作品には珍しく、大スターを起用したことも作品をコントロール出来なかった要因になったのではないだろうか。

 このようなテクニカルな手法は人物像を打ち消してしまうものなのか、それともトム・クルーズ、ニコール・キッドマンがその技法に属さなかったのか、いずれにしてもキューブリックの遺作としては惜しい出来となっている。

 物語自体は謎が多く、その世界に突然放り込まれ、突然突き放されるような展開になる。起承転結の転で終わる印象であり、あまり深く探る気持ちにならない。異形の地ともいえる屋敷での乱交パーティーや、黒装束と仮面の異様さだけが鑑賞後も痛烈に記憶に焼きついたくらいだ。


■関連作品■
コラテラル ★★★★
宇宙戦争 ★★★
Mi : 3 ★★★
ミッション・インポッシブル ★★★★
インベージョン ★


アイズ ワイド シャットアイズ ワイド シャット
(2006/12/08)
トム・クルーズ

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[ 2008/06/17 00:00 ] ラブロマンス | TB(0) | CM(0)
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