トロピック・サンダー/史上最低の作戦 ★★

 「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」はベン・スティラーが製作・原案・脚本・監督・主演の一人5役を担当した意欲作だ。彼の交友関係の広さからか、ロバート・ダウニー・Jr、ジャック・ブラック、その他、大人数のカメオ出演により、主役級の俳優がそこらかしこに登場している。意外な人が意外な役で出演しているので驚くこと間違いなしだ。

 今作が楽しめるかどうかはアメリカ文化特有の笑い、ベン・スティラーの目指す笑いとツボが合うかどうかに左右される。オースティンパワーズが日本で流行らないように、下品な言葉の応酬や、際どい残酷な描写はもしかしたら日本人向けではないかもしれない。オースティンパワーズが好き、もしくは「プラトーン」「地獄の黙示録」などハリウッドの戦争映画が好きな人であれば今作は面白く感じられ、逆に駄目な人はあまり笑えない内容だろう。


ナイト ミュージアムナイト ミュージアム
(2007/08/03)
洋画

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*****以下、ネタばれ注意*****




 映画の撮影だと思っていたら、実は本物の戦場だった…実弾に焦りまくって右往左往する。このようなシンプルなプロットと思いきや、微妙に感動があったりとベン・スティラーとその他4人に分かれて行動しはじめた辺りから勢いがなくなったように感じた。俳優としての苦悩・復活、友情など、それまでの伏線を回収し大円団となるが、そのせいか後半は笑いが薄い。個人的には冒頭のナパーム爆破撮影の失敗と、監督が地雷で瞬殺した場面が最高潮だった。出演者のなかでは頑固一徹なロバート・ダウニー・Jrの熱演が光り、そしてブランドン・T・ジャクソンの役名が"アルパ・チーノ"というのが面白かった。

 前述のように他の映画へのオマージュや、台詞のなかに映画業界への皮肉が混じっているのは興味深い。コメディ映画を中心に活動している、ベン・スティラーの不満が、さり気に込められているようだ。


■関連作品■
アイアンマン ★★★
ゾディアック ★★
ホリデイ ★★★

[ 2008/11/23 00:00 ] コメディ | TB(0) | CM(4)

JUNO / ジュノ ★★★

JUNO/ジュノ (Blu-ray Disc)JUNO/ジュノ (Blu-ray Disc)
(2008/11/07)
エレン・ペイジマイケル・セラ

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 「ハードキャンディ」でパトリック・ウィルソンの睾丸を切り落とし、男性の観客を恐怖の底まで突き落としたエレン・ペイジが、たった1回のセックスで妊娠をしてしまった女子高生を演じるとは、なんとも皮肉な因果である。「X-MEN:ファイナルディシジョン」の頃と比べ、少しだけ大人になった彼女が"ジュノ"として、エネルギッシュにそしてキュートに振る舞う姿が今作最大の魅力であり、作品の方向性を決定付けていた。

 「JUNO/ジュノ」は望まなくして妊娠をしてしまった女子高生を描いているが、若年層での妊娠問題や中絶の是非よりも、彼女自身の行動や決断に比重が置かれているため説教臭くなく、すんなりと物語の世界に入ることができる。




*****以下、ネタばれ注意*****




 ジュノはとにかく舌が回り、ブラックジョークを連発する可笑しな女の子だが、その饒舌さは本当の自分の感情を隠す一種の癖のようなものにも見えた。そのため、いつも気丈にしている彼女が本心を覗かせるシーン、一瞬黙り込んでみせる表情やしぐさがなんとも切ない。車のなかで号泣するシーンがいっそう際立って見えるのだ。

 劇中では少し変わった女の子として認識されていたが、実は誰よりも純粋で誰よりも冷静だったのでは(妊娠した以降は)ないだろうか。最終的に赤ちゃんをジェニファー・ガーナーに渡した決断も、彼女の冷静な考えを反映しており、無理がなく好感がもてるものだった。序盤にあった若者特有の無責任さや軽さではない、彼女の強さ、妊娠を通じての成長が最後になって解る。

 あまりに自然な演技と存在感、そして今作の成功により「レニー・ゼルウィガー=ブリジット・ジョーンズ」のように「エレン・ペイジ=ジュノ」というイメージが定着するのは間違いないだろう。音楽に対する細やかな演出や台詞の言い回し、オープニング・エンドロールのポップな雰囲気も楽しく、鑑賞後もまだ物語の続きを観ていたい気分だった。


■関連作品■
キングダム/見えざる敵 ★★★
サンキュー・スモーキング ★★
スーパーバッド/童貞ウォーズ ★★★


[ 2008/11/05 00:00 ] コメディ | TB(0) | CM(0)

ファーストフード・ネイション ★★★

ファーストフード・ネイション デラックス版ファーストフード・ネイション デラックス版
(2008/09/05)
グレッグ・キニアイーサン・ホーク

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 街中どこにでもあり、最近では24時間営業も多くなったファーストフード店。その手軽さからよく利用するのだが、今作を観ると少しだけ敬遠しそうになった。「スーパー・サイズ・ミー」でも同じような気持ちになったのだが、「ファーストフード・ネイション」はドキュメンタリーではなく、ファーストフード店を展開する架空の企業を舞台にしたブラックコメディである。 アメリカの産業をコメディで皮肉る観点は「サンキュー・スモーキング」を思い起こさせるが、それよりもシリアスであり笑えるか笑えないかのラインを巧みに紡いでいた。

 本作は、ミッキーズバーガーの本社マーケティング部長、ミッキーズバーガーのお店で働くアルバイト店員、バーガーのパテを作る工場の労働者の3つの視点から成り立っている。全く関連性のない立場は最終的に、パテの元となる肉・牛という部分で交わりラストは、予想もしない衝撃の画が飛び込んできた。




*****以下、ネタばれ注意*****




 様々な人物が登場するのだが、やはりメキシコの不法入国労働者のエピソードが1番印象に残る。お金を求めアメリカで働くも、劣悪な職場環境、蔓延する薬物汚染、セクハラなどメインのカップル2人の顛末を思うと胸がつまりそうになった。映画用に誇張された表現もあるだろうが、実際もおそらくは似たような状況が起きているのではないだろうか。ファーストフードはアメリカの文化の象徴とも言えるが、そのシンボルの裏に悲惨な因果が隠れていると思うと、簡単にはバーガーを口に運べなくなる。食の安全、その意識が高い現在だからこそ一見の価値はあるだろう。

 また出演者も少しの出番ながら、ブルース・ウィリス、イーサン・ホーク、ポール・ダノ、そしてアヴリル・ラヴィーンとユニークなメンバーが集結している。ファーストフードには言及していないが、イーサン・ホークのいつも通りの得意気な台詞まわしが面白かった。


■関連作品■
リトル・ミス・サンシャイン ★★★
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド ★★★★
恋人までの距離/ビフォア・サンライズ ★★★★★
ビフォア・サンセット ★★★★★
プラネット・テラー in グラインドハウス ★★★

[ 2008/09/12 00:00 ] コメディ | TB(0) | CM(0)
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