インディ・ジョーンズ / クリスタル・スカルの王国 ★★★★

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 オリジナル・サウンドトラックインディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 オリジナル・サウンドトラック
(2008/06/06)
ジョン・ウィリアムズ

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◆魔法の瞬間
 ジョージ・ルーカスがそのことを「魔法の瞬間」と表現したように、インディ・ジョーンズのシルエットが浮かび上がった瞬間、ただならぬ感覚が身体を包んだ。まだ物語が始まっていない冒頭に起こる感情は、長い年月を経ての復活の喜びと、このシリーズがやはり大好きだったのだということが、純粋に自分のなかで確認できた瞬間でもあった。無条件で心を掴むヒーローの存在は、他の作品では起こりえない感動を運び「これこそが映画の醍醐味だ」と改めてそう感じたのだ。


◆大人になったインディ・ジョーンズ
 19年ぶりの新作とのことで劇中内のインディ・ジョーンズも年齢を重ねている。彼は1899年生まれのため、今回の時代設定では58歳。「最後の聖戦」が39歳の頃の話なので、映画内でも19年の歳月が過ぎたことになるのだ。そのため自身の立場も変わり落ち着きがあり、大人になったなという印象をうける。それはインディに限らず、スピルバーグやジョージ・ルーカスの映画製作に対するスタンスにも当てはまることだった。




*****以下、ネタばれ注意*****




 インディ・ジョーンズというキャラクターの良さは、知的・ユーモラス・絶対に諦めない精神、この3点の複合に限ると思う。今作では歳をとり大人になったせいか、ユーモアやアクションを息子であるマットが受け継いでおり、さらに知的な謎解きに関しても、友人のオックスリーがそのほとんどを導き出す。彼自身が常に前線に構え、ボロボロになりながら突進していくというより、チームを指揮する監督へと成長しており、若干の物足りなさもあるが頼もしくもあった。


インディ・ジョーンズクリスタル・スカルの王国 (アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ 4)インディ・ジョーンズクリスタル・スカルの王国 (アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ 4)
(2008/05)
ジェームズ・ルセーノ

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◆無限の創造力と抑止
 少し残念なのが、アクションや見せ場に対する演出の工夫の少なさである。これまでは、トラック・トロッコ・戦車などインパクトのあるチェイスシーンが用意されていたのだが、今作ではその味付けがかなり薄い。ジャングルでの追走劇が見所で、ジャングルカッターなるいびつなマシンが登場するも、インディがロケットランチャーで一掃してしまう。これまでのシリーズなら、このマシンを利用し、敵兵と壮絶なバトルを展開。何人かの兵士がカッターに巻き込まれ、血まみれの餌食になると予想できるのだがあっさりと終了する。

 また軍隊アリの大群も、CGであることがすぐに分かり気持ち悪いというより、規律のとれた動きは綺麗とも映った。「魔宮の伝説」で本物の昆虫を喜んでケイト・キャプショーに投げつけていた、あの感覚を思い出して欲しかったところだ。グロテスクな描写が少なくなったのもスピルバーグ、ジョージ・ルーカスが大人になった証拠なのか、ファミリー映画としてそのことよりもSF的な描写に力が入っていたように思える。しかしその一方で、アステカ文明を思わせるアケトーの神殿やナスカの地上絵での壮大な俯瞰視点はCG技術がこれを可能にし、冒険活劇の見せ方に新たな可能性を示したのも事実である。

 インディ・ジョーンズ同様に、スピルバーグ、ジョージ・ルーカス両者も19年の歳月を経て、多くの成功と新たな技術を獲得した。無限の創造力と潤沢な製作費。映画人として成功した2人が何の弊害もなく製作したことが、逆に本来の演出を忘れてしまったのではないだろうか。予算や環境など、なんらかの抑止があってこそ、誰も考え付かなかったアイディアが誕生するのだと思う。


メイキング・オブ・インディ・ジョーンズ -全映画の知られざる舞台裏- (LUCAS BOOKS)メイキング・オブ・インディ・ジョーンズ -全映画の知られざる舞台裏- (LUCAS BOOKS)
(2008/05/31)
ジョナサン・W・リンズラー/ローレン・ボザロー

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◆最強の敵・シリーズの今後
 個人的にケイト・ブランシェットが好きなせいか、初登場したイリーナ・スパルコの活躍が嬉しかった。ソ連兵を率い予知能力があるという謎に満ちた人物。長剣を得意武器とし機関銃を乱射するなど、冷酷さと強さを兼ね備えたシリーズ最強の敵である。時折見せる、気の抜けたような表情も面白い。

 「クリスタル・スカルの王国」はエリア51・ロズウェル事件に始まり、最終的にはアダムスキー型のUFOのようなものまで登場してしまう。SF的で意外な展開に賛否分かれそうではあるが、これまでのシリーズでも非現実の要素はあったので大いに楽しめた。ラストではシャイア・ラブーフに世代交代を示唆する場面もあり、シリーズの今後にも期待が高まるものだった。


■関連作品■
インディ・ジョーンズ/レイダース失われたアーク ★★★★★
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 ★★★★★
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 ★★★★★
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 ★★★★

インディ・ジョーンズのジャパンプレミアに・・・
バベル ★★★
あるスキャンダルの覚え書き ★★★★
ディスタービア ★★
トランスフォーマー ★★★

[ 2008/06/18 06:00 ] ヒーロー | TB(0) | CM(10)

バットマン ★★★★

バットマンバットマン
(2007/06/08)
マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン 他

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 「スパイダーマン」「X-MEN」「ハルク」「スーパーマン」など近年、アメコミの映画化は活況を呈しているが、それらの元祖であり個人的に1番好きなコミックヒーローこそが「バットマン」である。暗闇に「BATMAN」のロゴが映し出され、ダニー・エルフマン作曲のオープニングスコアが流れると、「さぁ、映画を観るぞ」という童心に帰るような、不意に訪れる幸福感に包まれるのだ。バットマンは後にリターンズ、フォーエバー…とシリーズ化されていくことになるが、やはり今作が突出して良く出来ているようだ。「バットマン」の良さを一言で説明するのは難しいが、あえて言うなら混沌さにあると思う。

 ティム・バートンが描いた架空都市、ゴッサムシティは地下からのスチーム、サーチライトの光、異様な彫刻の像など、なんとも奇妙な造型の街並みであり、ダークな世界観の土台となっている。そのいびつな世界に蔓延る悪がジョーカーだ。オープニングクレジットでは、バットマン役であるマイケル・キートンよりも先にジャック・ニコルソンが表示されており、あまりにインパクトの強い風貌と破天荒な言動は正に”主役”級である。役者魂にスイッチが入ったのだろうか、今作のジャック・ニコルソンは必見であり、美術館でのバトンさばきや「眼鏡の相手を殴るか??」など台詞や立ち振舞いが冴え渡っていた。怪しくも知的なイメージのマイケル・キートン、型にはまった演技しか出来ないキム・ベイシンガー、妙にリアリティのあるバットモービルなど、現実的な演出と非現実の演出が混在しているのが今作である。

 それら全ての要素が個性的で、それぞれが独立した働きを見せるものの、上質のラインで巧みに融合されバランスよく配置されている、これこそが「バットマン」の魅力だ。アクション映画として捉えると確かに弱く、物足りない部分はある。しかし他の映画では味わえない不思議な高揚感があり、劇中にジョーカーが大金をばら撒きながら腕を伸ばして踊るシーンがあるように、時としてそのようなパレードが観たくもなるものだ。


■関連作品■
バットマン ★★★★
バットマン リターンズ ★★★
バットマン フォーエヴァー ★★
バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 ★
バットマン ビギンズ ★★★★
ダークナイト ★★★★★
スパイダーマン3 ★★★
ディパーテッド ★★★

[ 2008/01/27 00:00 ] ヒーロー | TB(0) | CM(4)

ボーン・スプレマシー ★★

ボーン・スプレマシー ボーン・スプレマシー
マット・デイモン、フランカ・ポテンテ 他 (2006/11/30)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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 記憶喪失という設定だった前作から2年。「ボーン・アイデンティティー」で意外と種明かしをしていたのに、そこからどう展開するのか気になっていたのだが、恋人のマリーを巻き込んで…というよくある流れで物語は動いていく。

 インドから始まりイタリア、ドイツ、ロシアと広範囲に移動を繰り返し、終始追われる身となるジェイソン・ボーン。撮影を実際の現地で行なうなどライブ感を含め基本的な構成は前作と変わらない。しかし若干の記憶を取り戻していること、トレッドストーンの動きを把握しているせいか、前回よりは緊張感が薄れていたことは否めない。敵の本部を狙撃銃で狙いながら連絡を取るなど余裕の行動も見れる。


ジェイソン・ボーン スペシャル・アクションBOXジェイソン・ボーン スペシャル・アクションBOX
(2007/11/08)
マット・デイモン: フランカ・ポテンテ

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 それでも肉弾戦のアクションや、敵を撹乱して追いつめていく様子は頼もしくもあり爽快そのもの。1番の見所はカーチェイスシーンだ。事前に肩を撃たれているジェイソン・ボーンが片手でタクシーを運転する姿は手に汗握るほどであり、このシーンに賭ける全スタッフの情熱が伝わってくるほど見事なチェイスシーンである。

 クライブ・オーウェン、クリス・クーパーと面白い面々が揃った前作に比べ、周りの登場人物に華がないのは残念なところ。新参入のジョアン・アレンも人の良さが前面にでてしまい、ジェイソン・ボーンを追いつめる鬼気迫る熱がなかなか伝わってこなかった。


■関連作品■
ボーン・アイデンティティー ★★
ボーン・スプレマシー ★★
ラウンダーズ ★★★

[ 2007/11/09 00:13 ] ヒーロー | TB(0) | CM(0)
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