ヒュー・グラントにドリュー・バリモア、監督・脚本にマーク・ローレンス。ラブコメトライアングルで製作した作品のせいか、劇中のどのシーンをとっても、展開においても、キャラクターの肉付けにしても抜群の安定感を持ち安心して鑑賞できる。
今作は80年代風、ミュージックビデオで始まるのだが、劇中の台詞にも80年世代の有名なミュージシャンが多数登場する。当時のファッション等含め、ファンが観たら楽しめる音楽ネタが満載なのだ。逆に年代がずれると元ネタが分からず、なんとなくやり過ごすしかない。
冒頭で若い風貌の彼を観たせいか、「ブリジットジョーンズの日記」「ラブ・アクチュアリー」の頃に比べてヒュー・グラントがだいぶ老けたように見える。それでも舞台に立ち、客に向けて熱い視線を送ったり、腰を振ったりと布石にコメディのツボを抑えている言動は相変わらず面白い。かっこ悪くダサく振舞っても、それをプラスに転化させ充分に魅せてくれる。お馴染みの一言多い皮肉の効いた台詞、「アバウト・ア・ボーイ」でも披露した低音ボイスでの歌声とヒュー・グラントファンにはたまらないシーンの連続、年をとっても魅力的だった。
一方のドリュー・バリモアもキュートな素振りで楽しませてくれる。ピアノの上に「ドン」と服やバックを置いたり、植木に水をドバドバかけたり、コーヒーをドボドボと注いでいたり(笑)細かなところで、彼女の性格が分かるようになっている辺り芸が細かい。今作で1番好きな場面は、ソフィーがテーマパークのステージで弱気になっているアレックスを励まし、その後、観客サイドに回り彼に向けて携帯電話を振るシーンだ。2人の表情が実に自然体で、お互いを意識しているのが見てとれて和む。
今作で、もう1人の主役と言っていいほど不思議な存在感を放っていたのが、コーラを演じたヘイリー・ベネット。無表情ながら時折見せる笑顔、セクシーな衣装、天才なのか勘違いなのか分からない音楽センス。色んなことを想像させる、インパクトの強い魅惑のミュージシャンだった。
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