バンテージ・ポイント ★★

バンテージ・ポイント コレクターズ・エディションバンテージ・ポイント コレクターズ・エディション
(2008/08/20)
デニス・クエイドマシュー・フォックス

映画の詳細を見る



 米大統領への狙撃事件が発生。その出来事を複数の登場人物の視点から繰り返し描き、真相に迫っていく構成が「バンテージ・ポイント」の特徴だ。時間軸が戻り、再びその事象が展開される映画といえば「ラン・ローラ・ラン」や「恋はデ・ジャヴ」などの作品を思い浮かべる。その2作品は主人公の主観で描かれ、過去のスタート地点に遡ることで徐々に展開を変化させたのに対し、今作は何度も同じ出来事で且つ同じ結末を迎えるせいか、鑑賞時間が増す度にストレスも溜まっていくものだった。




*****以下、ネタばれ注意*****




 本作の構成に爽快感がないのは、狙撃事件を別の角度から捉えることによって生まれるはずの新たな発見や、伏線がほとんどないところにある。例えばAというキャラクターが行った、ちょっとした言動のせいでBの計画が狂う、そのささいな動きや「なるほど」と思わせる素振りがほとんどなく、キャラクター間の相関関係が薄い。自動車事故やカメラ撮影など、トリックは存在するもののどれも想像の範囲内であり、とりわけ驚くこともなかった。

 最終的には時間を戻すルールも無くなり、その後の出来事を描くため6回も繰り返した前半の時間はなんだったのかと落胆してしまう。1度目ならまだ鑑賞できるが、2度目に観るとなるとしんどい作業になりそうである。

 デニス・クエイド、フォレスト・ウィッテカー、ウィリアム・ハートなど渋い俳優陣と最後のカーチェイスはなかなか見応えのあるものだった。B級のサスペンスと割り切ると楽しめる映画。


■関連作品■
インクレディブル・ハルク ★★★
デイ・アフター・トゥモロー ★★
パニック・ルーム ★★

[ 2008/08/22 00:00 ] サスペンス | TB(0) | CM(0)

88ミニッツ ★

88(エイティーエイト)ミニッツ88(エイティーエイト)ミニッツ
(2008/07/11)
アル・パチーノアリシア・ウィット

映画の詳細を見る



 「88ミニッツ」は主演のアル・パチーノをはじめウィリアム・フォーサイスやエイミー・ブレネマン、若手俳優のリーリー・ソビエスキーと演技も素晴らしく、面白い俳優陣が揃った作品である。しかしこれらの旨味を打ち消す、脚本や演出の連続だったなという印象をうけた。




*****以下、ネタばれ注意*****




 今作は「おまえの命はあと88分−」という脅迫電話以降、ほぼ残り時間通りに物語が展開されるリアルタイムサスペンスだ。その特徴からテレビドラマの「24」を連想させ、素早いテンポや臨場感を煽るカメラワークはそれと似ている。問題はその技法にアル・パチーノがはまっていないということだ。FBI異常犯罪分析医の彼が過去のトラウマを抱きつつ、真犯人を捜していくのだが、キャラクター像を深める時間がほとんどなく指令を受けて移動する駒と化している。

 それが顕著に表れているのが携帯電話を使いすぎているということ、人間を相手に葛藤するのではなく、あらゆる情報が電話越しにくるために面白味に欠けるのだ。ストーリー展開にしてもあまりに万能のツールとなっており、また部下をはじめとする主人公の周囲の人間が効率よく動きすぎているのも、リアリティを削ぐものだった。

 アル・パチーノはやはり、どしりと構えてそこから激昂するときの緩急や溜めが魅力なのではないだろうか。その瞬間のみを魅せる、アクションスターではないため本作のプロットは合っていないように思える。「オーシャンズ13」を除いて近年は「リクルート」「シモーヌ」などこれといったヒット作がない。彼本来の味がだせる企画や映画と巡りあってほしいものだ。


■関連作品■
ヒート ★★★★
オーシャンズ13 ★★★
ロード・キラー ★★★
アイズ・ワイド・シャット ★★

[ 2008/08/02 00:00 ] サスペンス | TB(0) | CM(0)

アンブレイカブル ★★★

アンブレイカブル (Blu-ray Disc)アンブレイカブル (Blu-ray Disc)
(2008/07/18)
ブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソン

映画の詳細を見る



 前回作「シックスセンス」で驚愕のオチを用意したM・ナイト・シャマランだけに、冒頭の列車事故で実はブルース・ウィリスは死んでいるのでは??と疑ったのは自分を含めて、大勢居たのではないだろうか。

 「アンブレイカブル」では普通の人間が、自分のなかの隠れた能力に気付き、ヒーローとして目覚めていく過程を大真面目に描いている。派手なアクションもなくトーンを抑えた映像のなかで、アメコミのヒーローを追う構図が実に奇妙であり、新感覚スリラーといえばそうなのかもしれない。




*****以下、ネタばれ注意*****




 薄暗い地下室、ウェイトリフティングで自分の力に気付き始めるシーンなど、ものすごく真剣に演じているがちょっと距離を置いて眺めると爆笑ものである。能力のすごさと、それを証明する画に差があり滑稽に観えるのだ。ブルース・ウィリスはすごい人物なのか、実はそうではなく普通なのか、地味すぎて分からないということが物語を引っ張る要因になっていた。

 今作のオチはヒーローの誕生ではなく、実はサミュエル・L・ジャクソンが様々な破壊活動を実行した犯人だったという部分に着陸する。ブルース・ウィリスの能力が非現実的と解ったあとで「犯人は私だ」と言われてもあまり驚かない。それならばいっそのこと、ブルース・ウィリスと握手をしたことで悪のキャラクターとして目覚め車椅子から立ち上がり、謎のメッセージを残して消える。それくらい飛び抜けたほうが面白そうだが…後日談を字幕で綴るラストカットも説明的、蛇足であり好きになれなかった。


■関連作品■
サイン ★★★
ヴィレッジ ★★
レディ・イン・ザ・ウォーター ★
ハプニング ★★★
ダイ・ハード4.0 ★★★
プラネット・テラー in グラインドハウス ★★★

[ 2008/07/17 00:00 ] サスペンス | TB(0) | CM(4)
スポンサードリンク
過去のタイトルを検索
カレンダー
09 | 2008/10 | 11
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
プロフィール
リンク

各ブログランキングに参加しております。良かったら応援よろしくお願いいたします!!

にほんブログ村 映画ブログへ




★前田有一の超映画批評★
映画通信シネマッシモ
グレートシネマ
映画リンク集-シネマメモ
相互リンク/映画
ピコシアタ

カウンタ