ビットコイン 夢と未来 (字幕版)


インターネットで起きたゴールドラッシュ


 先頃話題になっていたビットコインについて知りたく、本を読むよりも分かり易いかなと思い鑑賞した。しかし本作はビットコインの仕組みや利用法よりも、ビットコインに着眼しそれをビジネスにしたベンチャー企業や個人の様子に多くの時間を割いている。序盤に簡単なイントロダクションはあるものの、通貨発行にあたる発掘や価値が上下するといった、市場原理がよく分からないまま物語が進んでしまった。

 後にネットなどで仕組みを調べるもやはり複雑で、簡単に説明してもそれだけで90分が終わりそうではある。アニメでもよいのでこの辺りを上手に噛み砕いて説明するメディア媒体の登場に期待したいところ。

 2009年から運用開始となった新しい産業だけに、ベンチャー企業の広がりも目覚しい。朝から晩まで働き、次々に大きなオフィスへと引越す様子はアメリカンドリームを目指す、正にゴールドラッシュのよう。しかし、マウントゴックスがシステムの脆弱性を発端とし破綻したことや、インタビューを受けていた社長が法の枠組みの未整備により逮捕されるなど、物語の終盤はなかなかにドラマチックな展開をみせた。

 1度動き出したシステムは止まらない。上記の問題はビットコインを取り巻く環境下で起きた2次災害であり、ビットコインそのものは存続し続けている。最大のロマンは創設者のナカモト・サトシが誰なのか不明だということだ。世界の経済構造を変えるイノベーションとなるか後に廃れる仮想通貨一部か。ビットコインの動向はなんとも刺激的である。


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ヒーロー映画乱立時代に開花する毒花


 ここ数年、ハリウッドのビッグバジェット映画はアメコミヒーローものに占拠されていた。バットマンとスーパーマンが戦えば、同時期・同じ映画館でアイアンマンとキャプテン・アメリカが対決する、ひと昔では考え難い事態が巻き起こっている。

 私もヒーローものは嫌いではないので、ある程度は鑑賞しているものの、公開本数はインフラ気味だと思う。新たなヒーローが登場し、地球規模・宇宙規模の危機に陥りそれを救う、ヒーローは時として己の行動に悩み仲間と袂を分かつこともある…。このようなルーチンに食傷気味だった。

 このようなヒーロー映画乱立時代にこそ開花したのが「デッドプール」である。デッドプール最大の特徴は第四の壁を越えて観客に語りかけてくることだ。拷問中でも戦闘中でもお構いなし、赤いマスク姿の悪ガキは劇中とにかく喋る!!他のヒーローをディスり、自分の身内であるX-MENをディスり、現実世界の俳優をディスり、自らであるライアン・レイノルズを皮肉り、スタジオに対し予算が足りないと愚痴をこぼす。

 たしかに他の「バットマンVS~」「シビル・ウォー」に比べアクションの派手さはない。正義心もモラルもない。しかしながら、ただひとりの愛する女性の為だけに行動する姿に不覚にも感動してしまうのだ。

 結果、デッドプールはそこそこの製作費しか与えられなかったものの、興行収入は爆破的な大ヒットとなった。他のヒーロー映画にない要素が多く、それが新鮮に映ったこと、もっと言えばヒーロー映画が乱立している”現在”だからこそ、輝けた異端者ではないだろうか。乱立状態でなければB級映画として埋もれていた可能性が高い。
 
 映画の世界観を飛び越えて語りかける、ある種の反則技で一躍アメコミヒーローの人気者になったデッドプール。もちろん次回作の企画もあるようだが、予算を増やしたり、話の規模が大きくなったとき、この熱狂が持続するか非常に難しいように思える。キャラクターを理解しているライアン・レイノルズや今作のスタッフが携われば要らぬ心配事だろうか??三振かホームランか。終始喋りまくり落ち着きのないデッドプールのように、続編まで私自身もなんだか落ち着かない。


■関連作品■
リミット ★★★
X-MEN/ファースト・ジェネレーション ★★★




ステーキ・レボリューション [DVD]


美味しそうなステーキが見たかったのに…


 肉、とりわけステーキである。「ステーキ・レボリューション」という題名と予告編で、今作に惹かれたのは自分のなかでステーキが好物であり、特別な存在だったからだろう。いわゆる”ごちそう”である。ステーキが鉄板の上で調理される様子や、それらを食する様は見栄えも良く、いかにも美味しそうではなかろうか。そのような心構えでいざ鑑賞してみると、求めていた食欲をそそる画は少なく進行も淡々としたものだった。

 “美味しいステーキを探すべく世界中を食べ歩く”このようなメインストーリーの場合、何も考えず、ただただ味のみを追求し、美味しそうなステーキを紹介するだけのポップなものと、その国の食肉文化や、牛の育て方、品種・飼料に至るまでを描く硬派なものとに分かれそうだが「ステーキ・レボリューション」はそのバランスが中途半端である。

 劇中では、牛の育て方について放牧か牛舎か、はたまた牛がよく太るように工業的に造られた飼料か、自然の牧草か、といった家畜産業の現状を訴追する硬派な側面がある一方で、美味しかったステーキを味のみで評しランキング形式で紹介する、なんともポップで分かり易い面も混在するのだ。

 この映画に単純さと美味しそうなステーキのみを期待していた場合は裏切られ、硬派なものを期待した場合は物足りず、文字通りの消化不良に陥る。しかしながら、世界中を旅する中で、日本の和牛が上位にランクインしていたのは、なかなかに誇らしかった。