☆ 2017年中に観た映画ベスト3 ☆


 今年は念願のマイホーム完成!!に伴い、僅かながら自分の書斎のようなものをゲットすることができました。子供が寝静まった夜に映画鑑賞をしております。しかし日々の仕事や体調不良でなかなか本数は伸びず…といった1年でした。最近では映画館やDVD、ブルーレイでのディスク鑑賞に加え、iTunes Storeで動画レンタルもしています。通常のレンタルショップでは出会えないような、ドキュメンタリー等も手軽に観ることができ、嬉しい反面、劇場やレンタルストアといった従来の形態がどのようになるのかな…と少しばかり心配してみたり…。作品鑑賞のスタイルも数年で劇的に変化しそうです。そんな2017年に初めて鑑賞した映画のベスト3です。


☆2017年初めて観た映画でのベスト3

1. ブルーバレンタイン ★★★★
2. メッセージ ★★★★
3. マンチェスター・バイ・ザ・シー ★★★




ブルーバレンタイン [Blu-ray]


 1位は「ブルーバレンタイン」。日本公開2011年の映画を遅まきながらようやく鑑賞。なぜ今までスルーしていたのか激しく後悔する程に良くできた作品。なにより主演のライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズカップルの自然な立ち振る舞いに驚く。結婚前の2人の感情が高まっていく様子、結婚後の静かに壊れていく様子が、我々観客の人生の写し鏡のようで痛く突き刺さる。私は徹底したダイアローグで進むビフォアシリーズが好きだが、あの3作作品を1作にまとめたのが「ブルーバレンタイン」かなぁと。ただ「ブルーバレンタイン」には決定的な別離があり、良くできた作品なのに繰り返しては直ぐに観れない、ある種の劇薬のようにも思えた。それほどリアリティと普遍性に満ちた映画である。




メッセージ [Blu-ray]


 2位は「メッセージ」。宇宙人ファーストコンタクトものの映画である。未知なる生物との遭遇といった世界規模の出来事を1人の女性の視点に絞り、またSFものでありながら、実は上質なヒューマンドラマへと昇華する構成が感動を呼んだ。記憶に感情が伴うこと、また言語によって思考が変わること等、ここまで思案に暮れた映画も個人的には珍しかった。




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 3位は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。主人公のバックグラウンドはこれ以上ないほど暗いもの。物語のムードも暗くなりそうだが、絶妙のバランスでコメディ要素を挟んでくる辺りが今作の魅力である。シリアスなシーンでも必ず「えっ、ここは笑っていいとこ??」「このユーモア、このタイミングでいる??」と心をざわつかせるのが、ケネス・ロナーガン監督の作家性なのだろう。短い時間ながらミシェル・ウィリアムズの存在も記憶に残る。



☆2018年期待の映画☆

・スリー・ビルボード

 2018年、公開予定作品を眺めても、今のことろ突出してピンとくるものはなかったが、なんとなく久々にアクの強いフランシス・マクドーマンドが気になり「スリー・ビルボード」を挙げました。ビッグバジェット以外の映画も忘れずに鑑賞したいものです。

キングコング/髑髏島の巨神 ★★★


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観たいものだけをぶち込む、攻めの姿勢。


 観たいものだけを詰め込んだ、潔い怪獣映画だ。今作「キングコング/髑髏島の巨神」は、ゴジラやキングコングが登場しバトルする、モンスターバースの第2作目にあたる作品。別々の映画が同じ世界を共有し互いの作品に干渉し合うことは、現在ハリウッド映画ビッグバジェットの潮流だ。このような一大プロジェクトには巨費が投じられること、今後のユニバース映画の興収に影響を及ぼすこと等から失敗が許されず、物語やキャラクター描写がどちらかといえば手堅いものになりがちである。

 しかしである。今作はそのようなマイルドな「守り」の空気は見受けられず、いま観たい!!と思わせる怪獣映画の要素がふんだんに詰まっているのだ。実に、勇気と怪獣映画愛に満ちた「攻め」である。以下、私が感じた今作の良さを列挙してみた。




*****以下、ネタばれ注意*****




① テンポの速さ
 2005年公開のピーター・ジャクソン版「キング・コング」は、完成度の高い意欲作ではあったが、いかんせん上映時間が長い。特にスカル・アイランド上陸まで、さらにはキングコング登場までが長く、中だるみを激しく覚えた。今作では主役がド頭にいきなりの登場。メインストーリーも25分ほどで髑髏島に上陸し、夕日に佇むキングコングのシルエットを映した後はヘリ部隊、タコ、擬態虫、スカル・クローラーなど勝ち抜きトーナメント方式でバトルし、ラストまで一気に駆け抜ける。細かいことを気にせず真面目な展開に傾かない、非常にフレッシュなテンポだった。

② 怪獣映画と戦争映画のミックス
 これまでの怪獣映画は、フィクションラインが低く設定されており、舞台が現代であることが多かった。実際に住んでいる街が破壊されることで、よりエモーショナルになることもその一因だろう。しかし、今作はベトナム戦争終戦時が時代設定であり、アメリカ兵と当時の装備で巨大生物に戦いを挑むというユニークさ。これは、怪獣と戦争のミックスジャンルなる、新しい映画の発明ともいえるだろう。監督が公言しているように、ヘリ部隊や小型船で川を下るビジュアルは正に「地獄の黙示録」。森の奥のカーツ大佐を暗殺するがごとく、パッカード部隊はキングコング抹殺を厳命されるのだ。

③ キャラクター描写の面白さ
 非常に速いテンポながらキャラクターが全員面白い。特にパッカード大佐扮するサミュエル・L・ジャクソンのアクの強さ。あの台詞を言っている途中に激死する様は「ディープ・ブルー」を思い出すもの(笑)ジョン・C・ライリーが日本刀を構え「不名誉よりも死を」と日本語で語る様もしびれる。トム・ヒドルストンがヒロイックにならないこと、ブリー・ラーソンとも恋仲にならない(キングコング映画なら当たり前??)のもあっさりしてて良い。その他、キャラクターの味付けや死に方も多種多様で忘れ難いものとなった。

 以上のように、今作は非常に特異な味付けだったが、今後、ゴジラ等が合流するモンスターバースも同じように攻めの姿勢で臨んでほしいものだ。日本タイトルの副題もカタカナでの「スカル・アイランド」ではなく、万人が絶対に書けない「髑髏島」という漢字表記が、まがまがしくてなんとも良い雰囲気をだしている。日本の配給会社にも「攻め」の姿勢を感じた次第だ。


■■関連作品■■
アベンジャーズ ★★★
ドン・ジョン ★

メッセージ ★★★★


メッセージ [Blu-ray]


記憶には感情が伴う


 甘い経験、苦い思い出、などと言われるように、記憶には感情が伴う。記憶に感情が伴うことで、素晴らしい体験を繰り返したいという思いや、過ちを繰り返したくないといった、心情が生まれてくるのだろう。成長や人生を豊かにするために欠かせない人間の本質である。




*****以下、ネタばれ注意*****




 主人公のルイーズはヘプタポッドの文字を理解するにつれて、未来が見えるようになる。おそらくはその未来の記憶にも感情が伴っているのだろう。だからこそ、イアンとの離婚や娘との死別といった、最も辛い出来事が先に分かっていてもその運命を受け入れたのだ。

 「メッセージ」はイントロダクションこそ、SF映画によくある異星人とのファーストコンタクトもの、全世界を巻き込むスケールの大きなものだが、物語はルイーズの主観で語られ、ごくごく個人的な内容であることが次第に明らかになる。冒頭とラストで流れる、マックス・リヒターの「On the Nature of Daylight」は安らかにその運命を暗示し、観客を感動に包んだ。かくいう私も、鑑賞後この曲がずっと頭から離れず、主人公の気持ちを何とか理解しようと想いを巡らせたものだ。

 物語の始まりが、1番先の未来=ラストというサプライズ。では何故、冒頭の大学の講義や日常生活において終始、ルイーズは怪訝そうな表情だったのか(笑)ミスリードへと上手に誘導したエイミー・アダムスの演技はさすがである。

 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の前作「ボーダーライン」では国境検閲所での舐めるような空撮ショットが印象的だったが、「メッセージ」もヘリコプターで宇宙船へと向かうシーンが同じように鮮烈だった。大渋滞した禁止区域を越えると、山肌から雲が流れ、その白い雲の間にぬっと現れた未知の物体がなんとも美しく不気味。そこで流れるスコア「Arrival」の影響もあり、好奇心と歪な不安が同居した屈指の名シーンといえる。この場面が上手いのは、一般人はそのエリアに入れないこと、宇宙船の大きさ、宇宙船と作戦基地の距離間といった情報を言葉ではなく、1ショットの映像で見せていることだ。


■■関連作品■■
バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生 ★★
キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー ★★★
ハート・ロッカー ★★★

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