ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス ★★


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自分ってのは身勝手な人間でして...


 前作が期待以上に良かったせいか、こうあってほしい、こうあるべき「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」像も勝手に肥大化していったように思う。かくなる自分もその1人で続編へのハードルがあがり過ぎていたせいか、リミックス(原題:Vol.2)は正直あまり乗れなかったのである。では周りはどうかと言えば、あらゆる媒体で”前作以上””MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)において最高傑作””スター・ウォーズと並ぶスペースオペラ”などの文字列が踊っており、自分との温度差に焦るくらいだ。

 なぜこのような乖離が起こるのか??要は求めていたものや好みの問題である。今作の物語のメイン軸はスター・ロードと父親エゴとの再会から起こるひと騒動で、中盤以降の展開がメロー過ぎており、突き抜けた明朗さが失われてように思うのだ。監督のインタビューからも想像できるが、ストーリー主軸のキャラクターというよりはキャラクター掘り下げの為のストーリーを目指していたのだろう。シリーズを通じての世界観やアイテムを転がすより、既存キャラクターの魅力や内面に注力したのがリミックスだといえる。




*****以下、ネタばれ注意*****




 父子の関係はスター・ウォーズで観ていたし、そのネタを2作目でやるかと若干辟易しながらも、選ばれた者のスーパー能力をあっさりと否定するのがガーディアンズらしく、その辺りはホッとしてみたり。ドラックスとマンティスのやりとりやジョークがくどく思えたり。血縁関係の近しい者同士の摩擦、克服・成長から起こる感動。自分ってのは身勝手な人間でして、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」ではもっと分かり易いアクション活劇を求めているのだ。軽いノリの冒険後に訪れるちょっとした感動くらいが丁度いい、本当に自分はわがままである。

 今作で母親から貰ったSONYのウォークマンを、父親エゴによって壊される衝撃の展開があった。しかしラストでZuneをゲット。何故、ipodではないのか、利権やなにかの問題なのかと勘繰りながら300曲近くをダウンロードできるという台詞から、次作では90年代や00年代のポップスが登場するのか??自身の家系による呪縛から解放されたスター・ロードと共に明快な冒険に期待したい。


■■関連作品■■
キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー ★★★
007/スペクター ★★

レヴェナント/蘇えりし者 ★★★


レヴェナント:蘇えりし者(2枚組)[4K ULTRA HD + Blu-ray]


フラットな気持ちで作品を鑑賞できるか。


 レオナルド・ディカプリオの物語にも見える。これまでアカデミー賞に4度ノミネートされながら、オスカー像を手にすることができなかった彼は、いよいよ自らを極限状態にまで追い詰める。死の淵からの生還を、大自然と共に本能のままスクリーンに投影したのだ。時に生魚・生肉を貪り、裸体で馬の体内に入り込む等々…「体を張る」という表現を超え「演技」を超え、生きるために無意識に動く瞬間を映像に残した、そんな印象だった。

 しかし正直に言えば、「悲願のアカデミー賞主演男優賞なるか!?」という映画とはかけ離れた外部要因が、時にヒュー・グラスをディカプリオに見せてしまったと思えなくもない。どんなに過酷な撮影をしようが、生肉を喰らおうが、「全てはオスカーのため」と見えてしまっては意味がない。勿論、本人もそのつもりは毛頭ないだろうが、そのようなことが劇中、頭をよぎったのも事実である。

 そのような意味では、フィッツジェラルドを演じたトム・ハーディの方が自然体で違和感なくキャラクターに没入できていたように思えた。どのような振る舞いをしても「オスカーのため」と捉えられてしまうのは、若い頃より常に第一線で注目されたハリウッドスターならではの苦労だと思う。しかし私はこうも思った。「レヴェナント/蘇えりし者」により、ついにアカデミー主演男優賞に輝いたレオナルド・ディカプリオは自らに纏わりついた足枷をようやく外せるのでは、ということだ。

 本人も観客も余計な雑念やプレッシャーがなくなり、作品選びを含め次回作以降こそがレオナルド・ディカプリオの自由な演技が観れるのではないだろうか。「レヴェナント」は自然と共生し死の淵から甦る男の物語だった。それに準えて今後の彼の活躍が心から楽しみである。


■■関連作品■■
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) ★★★★
インセプション ★★★★
ウルフ・オブ・ウォールストリート ★★
ブラッド・ダイアモンド ★★★


スーサイド・スクワッド ★


スーサイド・スクワッド エクステンデッド・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]


why so serious?


 「またDCは…」と思った。DCエクステンデッド・ユニバースの作品は「マン・オブ・スティール」「バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生」に続き3作目となるが、いつまで経っても失敗から学ばないなと。マーベル作品の優秀さと比べ、この燻った感じが、むしろ愛おしく思える程である。

 「スーサイド・スクワッド」最大の失敗は「ぶれたこと」だ。そもそもDCエクステンデッド・ユニバースの世界観やコンセプトは、ダークナイトトリロジーに準えた重厚でリアルなもの。そのため「マン・オブ~」も「バットマンvs~」も驚くほどユーモアが少なく、ヒーローの存在意義を問う比較的重たい内容に仕上がっている。そのような路線で行くのであれば、今作のデヴィッド・エアー監督起用というのも納得がいくものだ。

 しかしである。本作最初の特報時にはダークな内容に観えたのだが、それ以降の予告編では急にポップなものとなり、本編完成版でも、どちらかといえば軽いノリのものとなっていた。一説では「バットマンvs~」評価が芳ばしくなかった為、途中で編集や演出を変えたともいわれている。

 この突然の路線変更がもろに作品の構造を悪くしている。軽くポップなノリなのに主な舞台は夜で暗い。稀代の悪の集団のはずが微妙に良い面があり、はちゃめちゃ感が皆無。編集のせいか時間軸やキャラクターの行動原理が分かり難い。敵対するボスの魅力の無さ等々…良い素材なのに全部ミキサーで混ぜ、香辛料を加え過ぎた結果、よく分からない味の料理となる、正に「バットマンvs~」の失敗を繰り返しているのだ。

 救いはマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインだ。思えば「バットマンvs~」の救いもワンダーウーマンだった。これら女性キャラクターがいなかったらDCユニバースは完全に沈没していただろう。


■■関連作品■■
バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生 ★★
ダークナイト ★★★★★
ダークナイト ライジング ★★★★

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